40代のNISAは月いくら?5,000円・1万円・3万円を20年積み立てた結果

40代のNISA積立額を少額・中額・大きめの3段階で考えるイメージ NISA・資産形成

NISAを始めようとすると、最初に迷うのが「毎月いくら積み立てるか」です。

月1万円では少なすぎるのか。3万円くらいは必要なのか。40代なら、もっと急がなければならないのか。

金融機関の画面に表示される積立上限を見ると、できるだけ多く入れた方がよいようにも感じます。しかし、NISAの上限額と、自分が無理なく続けられる金額は別です。

私は40代が見え始めたアラフォーの会社員で、FP3級・簿記3級を取得した現在も、お金の勉強を続けています。同時に、過去のお金との向き合い方を誤って抱えた、数百万円単位の負債も返しています。

その立場から考えると、積立額を決めるときに大切なのは「上限まで使えるか」ではありません。生活を守りながら、相場が下がったときにも続けられるかです。

この記事では、月5,000円・1万円・3万円を20年間積み立てた場合を比較し、家計や負債返済を踏まえた積立額の決め方を整理します。

先に結論:最初の積立額は「下落しても続けられる金額」

NISAの積立額には、全員に共通する正解はありません。同じ年収でも、住居費、家族構成、貯蓄、負債、勤務先の退職金制度によって、投資に回せる金額は変わります。

  1. 毎月の生活費を支払える
  2. 急な出費に備える現金がある
  3. 負債返済を滞らせない
  4. 相場が下がっても積立を続けられる

この条件を満たす金額が月5,000円なら、そこから始めて構いません。積立額が小さいことより、無理な金額を設定して生活費が足りなくなったり、短期間で積立を止めたりする方が問題です。

NISAの上限は「積み立てるべき金額」ではない

2026年8月2日時点で、18歳以上が利用するNISAの年間投資枠は次のとおりです。

投資枠 年間投資枠 1カ月換算
つみたて投資枠 120万円 10万円
成長投資枠 240万円 20万円
合計 360万円 30万円

非課税保有限度額は両枠を合わせて1,800万円で、このうち成長投資枠は1,200万円までです。詳しくは金融庁「NISAを知る」で確認できます。

年間360万円は制度上利用できる最大額です。「毎年360万円を投資しなければ損をする」「月10万円を積み立てなければ意味がない」ということではありません。NISAは利益が非課税になる制度であって、元本や運用益を保証する制度ではありません。

月5,000円・1万円・3万円を20年間積み立てるとどうなるか

40歳から60歳までの20年間、毎月同じ金額を積み立てた場合を比較します。

毎月の積立額 元本 年率3% 年率5%
5,000円 120万円 約163万円 約203万円
1万円 240万円 約327万円 約406万円
3万円 720万円 約981万円 約1,217万円

※毎月末に積み立て、年率を月次換算したうえで運用収益を再投資する前提の概算です。手数料、信託報酬、実際の値動きなどは考慮していません。計算時期や複利の扱いなどにより、金融庁のつみたてシミュレーターとは結果が異なる場合があります。

月5,000円でも20年間の元本は120万円になります。もちろん、年率3%や5%で安定して増え続けるわけではなく、元本を下回る時期もあります。この表が示すのは将来の保証ではなく、少額でも期間を重ねれば一定の元本を準備できるということです。

条件を変えた試算は、金融庁のつみたてシミュレーターでも確認できます。

月5,000円では意味がないのか

月5,000円だけで老後資金のすべてを準備するのは難しいでしょう。しかし、老後を支えるのはNISAだけではありません。

  • 公的年金
  • 退職金・企業年金
  • 預貯金
  • iDeCo
  • NISAなどの運用資産
  • 老後も働く場合の収入

少額から始めることには、口座操作や値動きに慣れ、相場が下がったときの自分の感情を知る意味もあります。月5,000円で半年続け、家計に余裕があれば1万円へ増やす。こうした段階的な始め方もあります。

積立額を決める前に確認したい3つのお金

1.近いうちに使う生活資金

日常生活に必要なお金や、数年以内に使う予定があるお金は、値下がりする可能性のある金融商品とは分けて管理します。金融庁も、株式や投資信託には元本割れのおそれがあると説明しています。金融庁「資産形成の基本」

2.急な支出に備える現金

病気やけが、家電の故障、収入減少などは予定どおりには起こりません。「毎月の最低生活費はいくらか」「収入が一時的に減った場合、現金で何カ月対応できるか」を確認します。

3.返済中の負債

負債がある場合は、金利、残高、毎月の返済額を確認します。投資の収益は不確実ですが、負債の利息は契約に従って発生します。

私は、返済を止めてNISAの積立額を増やす考え方は取っていません。生活を守る現金と返済額を確保し、そのうえで残った金額から無理なく続けられる範囲を積み立てます。

積立額を考える順番

① 生活費を確保する

② 急な支出に備える現金を残す

③ 負債返済を続ける

④ 無理なく続けられる金額をNISAへ

積立額を決める4つのステップ

ステップ1:毎月の収支を確認する

手取り収入 − 生活費 − 年間支出の積立 − 負債返済 − 現金の貯蓄 = 投資を検討できる金額

年間支出には、税金、車検、旅行、家電の買い替えなど、毎月ではないものの、いずれ必要になる支出も含めます。

ステップ2:余剰額をすべて投資しない

計算上、毎月3万円余るとしても、すべてをNISAに入れる必要はありません。例えば次のように分ける方法があります。

振り分け先 金額例 役割
NISA 1万円 将来への積立
現金の積立 1万円 急な支出への備え
返済・予備費 1万円 負債削減と家計の余白

※これは一例であり、誰にでも適した配分ではありません。

ステップ3:値下がりした場合を想像する

仮に積み立てた30万円が一時的に24万円になっても、積立を続けられるでしょうか。不安で生活に支障が出るなら、積立額が大きすぎる可能性があります。長期・積立・分散を実践しても、元本割れがなくなるわけではありません。

ステップ4:半年ごとに見直す

昇給、負債残高の減少、固定費の削減、子どもの進学、住宅購入、転職など、家計が変化したら積立額を見直します。減額や一時停止も、家計を守って長く続けるための調整です。

40代からでは遅いのか

40代から始める場合、20代より運用期間が短いのは事実です。だからといって、焦って積立額を大きくする必要はありません。40歳から60歳まででも20年あります。

必要なのは、20代に追いつこうとすることではありません。公的年金、退職金、企業年金、現在の資産を確認し、自分に不足する金額を少しずつ準備することです。

私なら「少なすぎると感じる金額」から始める

私は数百万円単位の負債を返しながら、家族の生活と将来の資産形成を両立しようとしています。返済を続ける。急な支出に備える。家族の生活費を守る。そのうえで、積立を止めずに続ける。

月5,000円で始め、家計が安定したら1万円へ増やす。負債が減ったら、その返済額の一部を積立へ移す。生活を壊さずに積み上げられる金額こそ、その時点の自分に合った積立額です。

今日できること

  1. 毎月の最低生活費を確認する
  2. 負債を含む毎月の返済額を確認する
  3. 半年間続けても苦しくない積立額を考える

その金額が5,000円なら、5,000円から検討する。まだ余裕がなければ、積み立てないという判断もあります。NISAは上限を埋める競争ではありません。

参照した一次情報

ご注意

本記事は、2026年8月2日時点の金融庁等の公表情報をもとに、NISAと積立額の一般的な考え方をまとめたものです。シミュレーションは一定の利回りが継続すると仮定した概算であり、将来の運用成果を保証するものではありません。投資信託等には価格変動による元本割れの可能性があり、手数料や信託報酬も商品によって異なります。投資額や商品の選択は、家計、負債、運用目的、リスク許容度を踏まえてご判断ください。

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