個人向け国債と定期預金はどっち?金利・安全性・途中解約を比較【2026年版】

個人向け国債と定期預金を比較し、資金を使う時期を示すタイムライン お金の学び直し

「普通預金に置いておくより、少しでも金利の高い場所へ移したい」

そう考えたとき、候補になりやすいのが個人向け国債と定期預金です。

どちらも株式や投資信託のように日々価格が大きく動く商品ではなく、将来使う予定があるお金の置き場所として検討できます。しかし、定期預金は銀行などへお金を預ける商品、個人向け国債は国へお金を貸して利子を受け取る金融商品であり、仕組みは異なります。

私は40代が見え始めたアラフォーの会社員です。FP3級・簿記3級を取得し、現在もお金について学び続けています。同時に、数百万円単位の負債を返しながら、家族の生活と将来の資金づくりを両立しようとしている途中でもあります。

金利が上がると「預金のままでは損なのではないか」と焦ることがあります。しかし、金利が少し高いという理由だけで、すぐ使うお金まで動かす必要はありません。

この記事では、個人向け国債と定期預金を、金利、安全性、中途換金、使う時期から比較します。

先に結論:金利だけでなく使う時期で選ぶ

お金を使う時期・目的 主な候補
いつ使うか分からない生活費・予備費 普通預金
1年以内に使う予定がある 普通預金・短期の定期預金
1年以上使わず、安全性を重視したい 個人向け国債・定期預金
将来の金利上昇にも対応したい 個人向け国債の変動10年
満期と使用時期を合わせられる 固定金利の個人向け国債・定期預金
価格変動を受け入れて長期運用したい NISA等での分散投資を別途検討

大切なのは、どちらか一つに決めることではありません。お金を使う時期に応じて、普通預金、定期預金、個人向け国債、投資商品へ分ける方が現実的です。

個人向け国債と定期預金の違い

比較項目 個人向け国債 定期預金
お金の貸し先・預け先 日本国 銀行・信用金庫など
最低金額 1万円から1万円単位 金融機関・商品により異なる
金利 募集月・種類ごとに決定 金融機関・預入期間ごとに異なる
利子の受取時期 半年ごとに年2回 商品により満期時・定期的など
途中での引出し 原則として発行後1年から 商品の中途解約条件による
途中利用時の負担 中途換金調整額 中途解約利率が適用される場合など
保護の仕組み 国が元本・利子を支払う 預金保険制度
金利変動型 変動10年がある 一部商品を除き固定が中心

定期預金は一部だけ引き出せない商品もあります。個人向け国債は、発行後1年を経過すれば1万円単位で一部または全部を中途換金できます。実際の定期預金の条件は、預金規定や商品説明書で確認します。

2026年8月の個人向け国債の金利

種類 表面利率 税引後利率
変動10年・第197回債 年1.87% 年1.4901095%
固定5年・第185回債 年2.06% 年1.6415110%
固定3年・第195回債 年1.71% 年1.3626135%

募集期間は2026年8月6日から8月31日、発行日は同年9月15日です。この募集分だけを見ると固定5年の表面利率が最も高いものの、「今月は高いからすべて固定5年」とは限りません。5年間使わない予定なのか、今後さらに金利が上がった場合にどう考えるのかも確認します。

出典:財務省「現在募集中の個人向け国債・新窓販国債」

安全性を支える仕組みが異なる

個人向け国債

個人向け国債は日本国が発行し、満期時の元本と半年ごとの利子を国が支払います。経済情勢などによって実勢金利が変動しても、元本部分の価格は変動せず、額面金額で償還されます。

ただし、物価上昇率が国債の利率を上回れば、お金の実質的な購買力は下がります。また、発行後1年間は原則として中途換金できません。

出典:財務省「個人向け国債」

定期預金

利息の付く普通預金や定期預金などは、預金保険制度の対象となる場合、1金融機関ごとに預金者1人当たり、合算して元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護されます。

同じ銀行の普通預金に600万円、定期預金に600万円がある場合、別々に1,000万円ずつ保護されるわけではありません。同じ名義の対象預金は合算されます。

出典:金融庁「預金保険制度」預金保険機構「預金保険制度の基礎知識」

途中でお金が必要になった場合

個人向け国債は発行後1年間、原則として換金できない

個人向け国債は、原則として発行から1年間は中途換金できません。1年を経過した後は、1万円単位で中途換金できます。

中途換金調整額=直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685

元本から市場価格に応じた損失が差し引かれる仕組みではありませんが、直近約1年分の税引後利子に相当する金額を返すイメージです。死亡や大規模な自然災害など、一定の例外もあります。

定期預金は商品ごとに条件が違う

定期預金は、満期前でも金融機関が認める条件で中途解約できる場合があります。ただし、契約時の金利ではなく、低い中途解約利率が適用されることがあります。

  • 満期前に解約できるか
  • 一部解約できるか
  • 中途解約時の利率
  • 自動継続の有無
  • 満期後の扱い
  • 店頭・アプリのどちらで手続きできるか

生活防衛資金の全額を個人向け国債や定期預金へ移すと、急な医療費や家電の故障に対応しにくくなる場合があります。

金利上昇局面ではどちらを選ぶか

金利が上昇しているとき、長期間の固定金利へまとめて預けると、その後に登場した高い金利の商品へ移しにくくなることがあります。

個人向け国債の変動10年を使う

変動10年は、半年ごとに適用利率が見直されます。実勢金利が上がれば受取利子が増える可能性があります。一方、金利が下がれば適用利率も下がりますが、年0.05%の最低金利が設定されています。

預入期間の短い定期預金を使う

3カ月、6カ月、1年などの定期預金を利用し、満期時にその時点の金利を確認します。ただし、短期の定期預金が必ず長期商品より高金利になるわけではありません。

時期を分ける

まとまった300万円を一度に預けるのではなく、例えば今月・3カ月後・6カ月後に100万円ずつ分けます。将来の金利を正確に予測する方法ではありませんが、一つの金利・満期時期へ集中することを避けられます。

税引後の金利で比較する

預貯金の利子にも個人向け国債の利子にも、原則として20.315%の税金がかかります。そのため、通常は表面金利同士、または税引後金利同士で比べます。

キャンペーン定期預金では、適用期間、対象となる預金額、新規資金限定などの条件も確認します。

出典:国税庁「株式・配当・利子と税」財務省「個人向け国債についてのよくある質問」

個人向け国債が向いているお金

  • 1年以上使う予定がない
  • 株式や投資信託の値動きを避けたい
  • 金融機関ごとの預金が1,000万円を超える
  • 半年ごとに利子を受け取りたい
  • 金利上昇にある程度対応したい
  • 老後の生活費を数年分に分けて保有したい

ただし、発行後1年間は原則として中途換金できないため、近く使う可能性があるお金には向きません。

定期預金が向いているお金

  • 使う時期が数カ月後など近い
  • 給与口座と同じ金融機関で管理したい
  • 短期間の預け先を探している
  • 満期時期を支出予定と合わせたい
  • 一定期間の金利を確定したい
  • インターネット銀行などの金利優遇を比較できる

「年2%」と表示されていても、その金利が3カ月だけ適用される場合、3カ月で元本の2%を受け取れるわけではありません。表示金利は通常、年率です。

負債がある場合は預ける前に金利を比較する

個人向け国債や定期預金へお金を移す前に、負債がある人は借入金利も確認します。

比較対象 年率の例
預け先の税引前金利 年2%
借入金利 年5.5%

この場合、余剰資金を低い金利で運用しながら、より高い金利の借入れを残すことが、家計全体で有利とは限りません。

私自身も、数百万円単位の負債を返している途中です。すべての預金を返済へ回して手元資金をなくすことはしません。一方で、金利の高い借入れを残したまま、金利のわずかな差を求めて預け先を移し続けることも優先しません。

  1. 当面の生活費を普通預金へ残す
  2. 近く支払う税金・保険料を確保する
  3. 急な出費への予備資金を残す
  4. 借入金利と預け先の税引後金利を比較する
  5. 本当に使わないお金の置き場所を決める

利息を増やすことだけでなく、支払う利息を減らすことも家計改善です。

ファイナンシャルプランへの組み込み方

個人向け国債と定期預金は、どちらか一方に絞る必要はありません。

資金の役割 置き場所の例
1年以内の生活費・予備費 普通預金
1~3年後に使う資金 短期の定期預金
3年以上使わない資金 個人向け国債
10年以上先の資産形成 NISA等による分散投資を別途検討

これは推奨配分ではありません。退職時期、年金開始年齢、住宅修繕、医療費、負債残高などによって適切な配分は変わります。

老後資金の置き場所を決めるときは、利率の高い順ではなく、使う順番に並べます。そのうえで、それぞれの期間に合う商品を選びます。

今日できること

今日は、定期預金を解約したり、個人向け国債を購入したりする必要はありません。普通預金や定期預金の残高から、次の3つだけ書き出してください。

  • 1年以内に使うお金
  • 1~3年後に使うお金
  • 3年以上使わない予定のお金

次に、現在利用している定期預金があれば、商品説明書で「満期前に解約した場合の金利」を一つ確認します。

金利の数字だけでなく、いつ使えるお金なのかを確認する。それだけで、個人向け国債と定期預金のどちらが自分に合うか判断しやすくなります。


本記事は2026年8月30日時点で確認できる財務省、金融庁、預金保険機構および国税庁の公表情報をもとに、個人向け国債と定期預金の一般的な違いをまとめたものです。個人向け国債の募集金利は毎月変わります。定期預金の金利、預入期間、中途解約条件、一部解約の可否、自動継続および預金保険の対象範囲は、金融機関や商品によって異なります。実際の購入・預入れにあたっては、最新の商品説明書、預金規定および契約締結前交付書面等をご確認ください。本記事は特定の商品や金融機関を推奨するものではありません。

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