ねんきん定期便の見方|40代が老後資金づくりの前に確認したい5項目

ねんきん定期便を開き、記載された金額を見て、不安になったことはないでしょうか。

「毎月これだけしか受け取れないのか」
「今からNISAを増やさないと間に合わないのではないか」

私も数字を見たとき、まず金額の小ささに目が止まりました。

しかし、40代を含む50歳未満の人に記載されている金額は、原則として「将来受け取る年金の完成予想額」ではありません。現時点までの加入実績だけをもとに計算した年額です。

ここを誤解すると、必要以上に焦ってしまいます。

この記事では、40代が見え始めたアラフォーの会社員である私が、老後資金を考える前に確認したい項目を5つに整理します。

先に結論:40代は金額だけでなく記録を見る

ねんきん定期便で確認したいのは、次の5項目です。

  1. 年金の加入期間
  2. 未納や未加入の記録
  3. 標準報酬月額と標準賞与額
  4. これまでの加入実績に応じた年金額
  5. ねんきんネットで試算した将来の見込額

ハガキに記載された金額だけを12で割り、老後の月収だと判断するのは早計です。まず加入記録に漏れや誤りがないかを確認し、そのうえで将来の働き方を反映した見込額を試算します。

ねんきん定期便はいつ、どのように届くのか

ねんきん定期便は、国民年金または厚生年金保険の加入者に、原則として毎年誕生月に送られます。

通常はハガキで届きますが、35歳・45歳・59歳の節目年齢には、全期間の年金加入履歴が記載された封書が届きます。

また、50歳未満と50歳以上では、記載される年金額の意味が異なります。

区分 形式 主な内容
50歳未満(35歳・45歳を除く) ハガキ 加入期間、直近の納付状況、これまでの加入実績に応じた年金額
50歳以上(59歳・年金受給者を除く) ハガキ 加入期間、直近の納付状況、老齢年金の見込額
35歳・45歳 封書 これまでの加入実績に応じた年金額と、全期間の加入履歴
59歳 封書 老齢年金の見込額と、全期間の加入履歴

50歳未満に記載されるのは、現時点までの加入実績をもとに計算された年金額です。一方、50歳以上では、現在の加入条件が60歳まで続くと仮定した老齢年金の見込額が表示されます。

そのため、同じ「年金額」でも、50歳の前後では数字の意味が異なる点に注意が必要です。

35歳・45歳の封書は、これまでの勤務先や加入履歴をまとめて点検できる貴重な機会です。届いたら金額だけでなく、期間全体に漏れがないかを確認しましょう。

参考:日本年金機構「ねんきん定期便」の概要

1.年金の加入期間を確認する

最初に見るのは「これまでの年金加入期間」です。

会社員の場合、国民年金の第1号・第3号被保険者期間、厚生年金保険の加入期間、共済制度などの加入期間、合算対象期間などが表示されます。

老齢年金を受け取るには、原則として120カ月以上の受給資格期間が必要です。会社員として継続的に働いている人でも、転職や退職、自営業だった時期などに記録が途切れていないかを確認しておきましょう。

今日確認すること

記載された加入月数が、自分の就職時期や勤務年数と大きくずれていないかを見てください。まずは「およそ合っているか」を確認するだけでも一歩です。

2.「未納」「未加入」がないか確認する

次に、国民年金の納付状況を確認します。定期便には、納付済、未納、未加入、免除、学生納付特例、納付猶予、第3号被保険者などの区分が表示されます。

「免除」「学生納付特例」「納付猶予」と「未納」は同じものではありません。制度の適用を受けた期間は受給資格期間に含まれることがありますが、未納期間は年金額や受給資格に影響する可能性があります。

転職の間に空白期間があった人、学生納付特例を利用した人、配偶者の扶養に入ったことがある人は、特に確認しておきたい項目です。身に覚えのない未納や未加入があれば、放置せず年金事務所などへ確認しましょう。

参考:日本年金機構「50歳未満の方の見方ガイド」

3.標準報酬月額と標準賞与額を確認する

会社員の厚生年金は、実際の給与額をそのまま使うのではなく、「標準報酬月額」と「標準賞与額」を基礎に計算されます。

ここで確認したいのは、手取り額との一致ではありません。昇給したのに記録が変わっていない、賞与を受け取った月が抜けている、転職前後の勤務先の記録がない、といった不自然な点がないかを見ることが目的です。

なお、定期便に表示される厚生年金保険料は、基本的に本人負担分です。厚生年金保険料は事業主と被保険者が折半しており、会社も別途負担しています。

4.「これまでの加入実績に応じた年金額」を正しく読む

50歳未満の人にとって、最も誤解しやすいのがこの項目です。

表示されているのは、定期便の作成時点までの加入実績をもとに計算した年金額です。今後も60歳まで働き続けた場合の完成予想額ではありません。

たとえば年額72万円と記載されていれば、単純に12で割ると月額6万円です。ただし、それは「65歳から月6万円しか受け取れない」という意味ではありません。現時点までに積み上がった部分を示しています。

今後も厚生年金に加入して働けば、原則として加入実績が積み上がり、見込額も変化します。一方、50歳以上60歳未満の定期便では、現在の年金加入制度に60歳まで継続して加入したと仮定した見込額が表示されます。

5.ねんきんネットで将来の見込額を試算する

老後資金を考えるために知りたいのは、現時点の積み上げ額だけではなく、将来の見込額です。そこで使いたいのが「ねんきんネット」です。

ねんきんネットでは、今後の働き方や収入、年金を受け取り始める年齢などの条件を設定し、将来の年金額を試算できます。試算結果は5件まで保存できます。

日本年金機構「年金見込額試算」
日本年金機構「ねんきんネット」

試算するときは、現在と同程度の収入で60歳まで働く場合、途中で収入が下がる場合、65歳まで働く場合、年金の受給開始を遅らせる場合などを比べてみるとよいでしょう。未来を正確に予言するためではなく、条件によって見込額がどう動くかを知るための試算です。

年金額がわかってから老後資金を考える

NISAやiDeCoを始める前に、老後に必要な金額をすべて自力で準備する必要があるわけではありません。

老後の生活費
- 公的年金
- 退職金・企業年金
- 現在ある老後資産
= 自分で準備したい不足額

公的年金を確認しないまま「老後には2,000万円必要」と考えると、自分に必要な金額が見えにくくなります。まず公的年金という土台を確認し、その上に退職金や私的年金、NISAなどを重ねていく。それが、焦らずに老後資金を考える順番だと思います。

私がねんきん定期便を確認して感じたこと

私は、お金との向き合い方を誤り、数百万円単位の負債を返しながら金融リテラシーを学び直しています。

負債があると、どうしても目の前の返済だけに意識が向きます。しかし、家族の生活を守るためには、返済だけでなく、将来受け取れる年金や勤務先の制度も知っておく必要があります。

ねんきん定期便を確認したからといって、老後への不安がすべて消えるわけではありません。それでも、漠然とした不安が、確認できる数字に少し変わります。

不安をなくすことより、まず輪郭を与える。それが、お金を学び直す最初の役割なのかもしれません。

今日できること

  • ねんきん定期便を保管場所から出す
  • 加入月数を確認する
  • 「未納」「未加入」がないかを見る
  • 年額を12で割る前に、50歳未満の表示の意味を確認する
  • ねんきんネットへ登録する

全部を一度に理解する必要はありません。まず、自分の年金記録を開く。それだけでも、老後資金づくりは少し具体的になります。


本記事は、2026年7月30日時点の日本年金機構の公表情報をもとに、一般的な制度の概要をまとめたものです。個別の年金記録や受給額を保証するものではありません。加入記録に漏れや誤りがある場合や、個別の受給見込みを確認したい場合は、日本年金機構または年金事務所へお問い合わせください。制度内容は変更されることがあるため、最新情報を公式サイトでご確認ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました